大阪市港区西明寺住職のひとりごと9

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大阪市港区西明寺住職のひとりごと9

2020/05/13

大阪市港区西明寺住職のひとりごと9

誘導・説得

学校の休校が続き、在宅ワークと相まって、お子さんと過ごす時間が増えた方も多いと思います。

本来、子どもとの時間が増えるのは喜ばしいことのはずですが、生活リズムの乱れを注意して子どもと険悪な関係になってしまう、という向きもあることでしょう。

 

そういう方は、注意する場面ではなく、ふだんの会話を少し見直すことで、関係を必要以上に悪くせずに子どもとのコミュニケーションが取れるようになります。

 

よく言われるのが「傾聴」ですが、これはなかなか高難度です。親しい仲、特に家族間で実行するにはかなりの訓練が必要です。もちろん、傾聴できるに越したことはありませんが、その前に、子どもの意見、考えを親として聞いた時の答え方が「誘導」や「説得」になっていないか考えてみてはいかがでしょう。

 

親の立場からすれば、子どもの考えは幼く思えたり周りが見えていないように感じられたりで、すぐに「こうした方がいいよ」「こうしてみれば」と親としての意見を述べがちです。ただ、子どもが自分の考えを親に話す時は、まず聞いてほしい、と思っているものです。それに対して親の思っている方向に「誘導」しようとしたり「説得」にかかったりすれば、「自分の考えは大切にされていない」と感じて段々自分の思いを口にしなくなってしまいます。

 

親としての自分の言葉が「誘導」「説得」になっていないか振り返ってみて、もしそうなっていると気づいたら、親の方が視野を広げて自分の意見以外の考え方も提示してみてはどうでしょうか。

 

普段の会話からそのように心がけることで、子どもが自分は大切にされていると感じるようになり、親としての意見、注意に子どもがむやみに反発することが減ってくると思います。