住職のひとりごと20
2021/09/09
住職のひとりごと20
これまで何度か子どものありのままを認めることについて述べてまいりましたが、家庭だけでなく学校教育の中でもそのことを重視されている先生がいらっしゃることを知り、感銘を受けました。
この4月、コロナ禍で大阪市の小中学校はオンライン学習が進められましたが、様々な準備不足が重なり、混乱も生じていました。ある小学校の校長先生がその混乱の状況と競争中心の教育方針を憂い、「提言」という形で行政に意見を提出されましたが、その方法等が問題視され、文書訓告処分となりました。それを受けて、校長先生が、自身の教育に関わってきた来し方を振り返り、思いを述べた文章を出されました。https://drive.google.com/file/d/1pTu3DKz_YztYVvH0C2-W63illrDmJYhS/view
その中に、「子どもを測るモノサシは要らないーありのままの存在を認めるー」と題した章に次のような思いを綴られています。
テストの点数という一つのモノサシだけで測ることはしない強く思っていたが、「できる」「できない」にとらわれ、君には違う可能性があるはず、まだ見つかっていないだけ、とモノサシをとっかえひっかえ測ろうとし、あてはまるモノサシがないと「そのうち見つかるから頑張って」と無責任な言葉でごまかしていた、子どもの自尊感情を傷つけてきたのではと心が痛む、何かで測ろうとするのではなく、ありのままを丸ごと受け止めて、存在そのものを認めていくことの重要性に気付いたのは、学校外の様々な人に出会うことができたからだ、と。(文責筆者)
学校というところでは何らかの「評価」をしなければならず、モノサシで測ることは必然かと思っていましたが、存在そのものを丸ごと認めていくことを大切にしている方がいらっしゃることを心強く思いました。家庭は子どもを評価する場ではありません。なおさら「丸ごと認めていく」ことを大切にしなければなりません。