大阪市港区西明寺 住職のひとりごと14

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大阪市港区西明寺 住職のひとりごと14

2020/11/02

大阪市港区西明寺 住職のひとりごと14

他人の言動が気になる、傷つく、腹が立つ、ということはないでしょうか。

時折、たまに、であるなら気にしなくてもいいでしょうが、頻繁に、ということなら、少し立ち止まって考えてみることが必要かもしれません。

 

ある子育てカウンセラーのブログに、自他の境界線があいまいな人は他人の言動に振り回されやすい、という趣旨のことが書いてありました。自他の境界線は、たとえるなら皮膚のようなものだ、皮膚が薄いと刺激に過敏になり、ちょっとした刺激でピリピリしてしまうように、他人と自分との境界線があいまいで距離感がつかめていない方は問題の所在が分からず、他人の問題を自分の問題であるかのように感じてしまう、と。

 

仏教は無我を説き、自他一如と言うから、自分というものを否定している、と考える方もあるかもしれませんが、求道の出発点は「この私の悩み・苦しみ」です。そして「この私」がいかに救われていくかを考えていきます。

8月26日付けのブログ「自灯明 法灯明」https://saimyoji.info/blog/detail/20200828122506/でも述べましたが、問いを立てる「自」「私」を大切にしたうえで、自己を絶対化せず、そして見失わずに、他人との距離感をつかんでいきたいものです。