住職のひとりごと19
2021/05/22
住職のひとりごと19
「反抗期の子を絶望させる『親たちの最悪な対応』」を読んで
東洋経済オンラインに、教育評論家の親野智可等さんが「反抗期の子を絶望させる『親たちの最悪な対応』」というタイトルで、子どもの反抗期という難しい時期を乗り越えるためのアドバイスを書かれています。https://toyokeizai.net/articles/-/428050
タイトルは強烈ですが内容は簡潔、穏便で、子育てで悩んだ方なら、なるほど言われてみればそうでした、と子どもとの関係を再確認しようと思えるものでした。
いくつか例を挙げると、
・細かいしつけ的なことで否定的に叱る小言はやめる。効果がないだけでなくお互いイライラするだけだから。子ども扱いしていると反抗期が無駄に長引くだけ。一人の人間としてリスペクトしよう。
・子どもが余裕がなさそうな時、イライラしている時は話しかけない。子どもに何の遠慮がいるのか、と思っている親も多く、無遠慮に話しかけ、結果、無視された、態度が悪いと憤慨するが、少し観察し、タイミングを考えるだけで無益なトラブルは避けられる。
等とおっしゃっています。
さらに、「情けないやつだ」などと子どもの人格否定をすると、思春期・反抗期を過ぎても元の関係に戻れなくなることも、と指摘されます。
また、子どもの話を聞いても、励ましやアドバイスはすぐにしない、まずたっぷり共感的に聞くことを勧めておられます。
こういったことに気を付けていくことで、子どもは親の愛情を実感できるようになり、家庭がこどもにとって安全基地となる、と結ばれています。
子どものことを認め、共感的に聞くこと、家庭は安全基地とすることは私も何度か書きましたが、改めてその大切さを確認できました。
安全基地があることは子どもだけでなく、大人にとっても大切なことです。家で過ごす時間にストレスが少ないことはメンタルヘルスの上からも重要視されています。家庭の中で心静かに過ごせる場所を作っていきたいものです。仏教徒であればお仏壇の前はそういった場所となるのではないでしょうか。皆様もお仏壇の前で落ち着いて座り、しばらく手を合わせる時間を取ってみましょう。おうちにお仏壇がなければ、時々お寺の本堂にお参りされてはどうでしょうか。