大阪市港区西明寺 住職のひとりごと17

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大阪市港区西明寺 住職のひとりごと17

2021/02/16

大阪市港区西明寺 住職のひとりごと17

親子関係~ ひきこもり、不登校から学ぶ

 今月初めの朝日新聞に「#ひきこもりのリアル」という特集のシリーズが連載されていました。今回のシリーズでは、いわゆる「引き出しビジネス」(数十万円から数百万円という金額の契約を結び、引きこもっている方を半ば強引に外に「引き出し」自立させようと図る)について書かれていましたが、その中で「親が変われば家族関係変化」と題した回がありました。

 

 当事者や家族を支援する山口大学院の山根俊恵教授は次のように言います。いじめ、パワハラ、コミュニケーション下手など、ひきこもるきっかけは様々だが当人はそんな環境にあらがうことも迎合することもできずに心を閉ざしていく。でもそれは人より劣ることでも恥ずかしいことでもなく、その人の良さであると家族が納得できた時、かける言葉のトーンも違って響く。ドアの向こうで子はその変化に敏感に気づく。傷ついた心をゆっくりとメンテナンスすることで、次第に心にエネルギーが蓄えられていく。すると人は自然に外に出たくなる、と。

 親の考えが変わるとそれが言葉のトーンに表れ、子はそれに敏感に気づく、というのは、ひきこもりの場合に限らず、親子関係の特徴です。また、「すると人は自然に外に出たくなる」の「すると」「自然に」ということを親が理解・納得することも重要です。

 また、子ども若者の居場所作りの活動をされている西野博之さんは「不登校新聞」の中で、「あなたのお子さんは大丈夫です。そうあなたが思ってあげてください。そして「大丈夫」という眼差しに包まれたら、子どもは自然と自分の頭で考えて動き始めます。」と述べられます。

 ここでも、親が子どもをそのまま受け入れると「自然と」子どもは動き始める、とあります。

 

 ひきこもりや不登校といったケースに限らず、子どものことで悩んでいる方は、親が変わる、「すると」「自然と」子どもが変わっていくという、親子関係のダイナミズムを受け入れてみてはどうでしょうか。